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NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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当サイトではアオバさんのキャラが基本的におかしいです。


何かしら口実をつけては俺の部屋で飲み会を開きたがる奴らがいる。
アオバ、ゲンマ、コテツ、イズモ、とかその辺りの連中で、たまにイワシやトンボやイビキが来たりし、イビキがくれば飯やつまみの準備を手伝ってもらえるが、他の奴は原則として酒の用意のみで、それだけは万全におこなうものだから、大体明け方には酔いつぶれた男共が何人も部屋で雑魚寝していることになり、寝損ねた俺は後かたづけや朝食の準備をしなければならず、まあ俺にとってのメリットはあんまりない飲み会ということになる。
この独身寮では年上の方なので、多少は大目に見てやろうと思うのだが。
俺が帰宅したとき、既に中でアオバとゲンマができあがっており、さらにコテツとその隣にもうひとり、ちょこんと小さいのが座っていて、あからさまに未成年のそいつにきつい度数の酒を飲ませようとしているのを見たら、さすがの俺もここはきちんと叱るべきだと思った。
そう思ったが結局は馬鹿笑いしているアオバを見たらその気力が萎え、アオバを足蹴にしゲンマの頭をぺしんと叩きコテツにデコピンするだけで終わった。俺はやはり甘すぎると思う。
大げさに痛がるコテツが、隣の小さいの、シカマルを引っ張り、
「違うんすよーシカマルが飲み会来たいって言うからてっきり飲みたいんだと思ったんすよ」
とわけのわからぬことを言い、シカマルが横から
「来たいなんて言ってねえっす」
とぼそぼそつっこみを入れた。もっときつく言った方がいいぞ、と俺は思った。
「連れてくるのはいいけど、お前らは酒以外買ってこられないのか」
未成年が来るなら茶か何か持ってくるべきだ。俺は極めて常識的なことを言ったはずだが、アオバやゲンマは「何言ってんの?」という顔をしたので、気が遠くなった。
「飯はライドウが作ってくれるし、他のもん買ってくる金あったら酒買うだろ」
「だよなあ」
頭が痛い。
俺か、俺のせいなのか。こいつらの教育を怠った俺が悪いのか。
冷蔵庫から茶を取り出してシカマルに渡すと、俺は諦めて何か食べるものを作りに台所に立った。
「ライドウ、俺この間のアレ食いたい、あの、辛いキャベツのやつ」
「俺は白菜がいい」
「俺は肉がいいです」
若者ぶりやがって、とゲンマがコテツに襲いかかっているのを見ないようにしながら俺は調理に取りかかった。
酒のつまみにはとりあえずなんか味の濃いもの出しとけばいい。俺自身は空腹なので飲むより飯を食いたいし飲んでないシカマルもそうだろうと思い、飯系も作ることにして、できたものからテーブルへ運ぼうとふと奴らの方を見ると、ゲンマの話を聞きながらシカマルが真っ赤な顔をしていた。
まさか飲ませたのだろうかと思ったのだがそうではなく、時折コテツが「ゲンマさんやらしい!」などと奇声をあげているので、おそらくは猥談を披露しているのだろう、シカマルは顔を赤くして反応に困っていて、ちらりとこっちを見た。
後でゲンマを叱っておくのを忘れないように心に留めながら、俺はシカマルをこっちへ呼んだ。シカマルはそそくさとやってくる。
できた料理をシカマルに運んでもらうと、奴らは単純にも食べるのに夢中になった。腹が減っているのなら少しは自分たちで用意したらどうだ、と俺は言いたかったが、今更だとも思った。
シカマルが台所へ戻ってきたので、食べてていいぞと言ったのだが、シカマルは何か手伝いますとか何とか言ってテーブルの方へ行こうとしない。
手伝ってもらうことは何もなかったのだが、ゲンマたちのところへ戻してまた何か変なことを言われるかも知れないので、作っていた唐揚げをシカマルに味見させつつ、コテツやゲンマの当たり障り無い話をした。アオバとは任務でしか会ったことがなかったらしい。俺は今のうちにアオバやゲンマがプライベートではいかに危険な存在かを話して聞かせた。
シカマルはほとんど相づちばかりだったが楽しそうにしていた。俺が視線をシカマルへ向けると、何故か気まずそうに目線を泳がせた。もじもじと照れているように見えたが気のせいだと思った。
シカマル用に唐揚げ丼を作ってやり、このくらい食べるものがあれば良いだろうと俺とシカマルもテーブルへついた。
「あっ何それ、シカマルばっかずるい!俺にはないんですか!」
明らかに酔っぱらっているコテツがシカマルの丼を横から取ろうとする。子どもすぎる。
「そうだライドウ、今度夜に時間取れる日ねえかな」
コテツに行儀の悪いことをやめさせている俺にゲンマがふと思い出したようにそんなことを言った。
「夜って、何かあるのか」
「んー、食事行きませんかって」
もちろんゲンマが自ら俺に食事に行きませんかと丁寧な誘いをしているのではない。そんなことがあったら気色が悪い。
「えー俺は?ライドウだけ?」
アオバがゲンマの背中をぱしぱしと叩く。ゲンマはそんなアオバの頭を撫でてやりながら、
「残念ながら俺が頼まれてるのは並足君だけなんだよ。ごめんな」
と言い、ひどーい、と泣くマネをするアオバをよしよしと慰めてやっている。
俺は酒の入っていない状態でそのやりとりを見て、あ、気持ち悪いな、と初めて気が付いた。そうか、こいつら普段こんな気持ち悪かったのか‥‥30歳過ぎた野郎同士がこんなことしたらそりゃ気持ち悪いか‥‥そうだった。
シカマルは食べるのに専念しているふりをして目は明らかに引いていた。ごめんなと俺は思った。
「悪いが断っておいてくれ。俺が留守の間に部屋で何されてるかわからないし」
そう言うとアオバは、あるある、と笑っている。うるさい。お前がやってるんだろうが。
コテツはゲンマにこっそり、えー誰から、誰からっすか、と興味津々に聞いている。ゲンマが耳打ちすると、ええー!と叫んだ後で馬鹿笑いをし始めた。あひゃひゃ、と笑いながら俺を見て、
「マジ、ライドウさんもてすぎでしょ、どうやったらそんなに誘われるようになるんすか」
と言ってさらに、マダムキラー、マダムキラー、などとほざいている。
「マダムだけなら俺も嫉妬しないんだけどな、最近のライドウのもて師っぷりはちょっと目に余るよな」
アオバも飲みながらそんなことを言う。何だよもて師って。
「俺だってさ、女の子から今度はライドウ連れてきてよって言われるとイラッとするし、基本的にはその場で断るけど」
「断ってくれって言ってるだろう、いちいち俺のとこまで聞きにこなくていい」
「そう言ってんのに向こうがどうしてもって食いついてくんだもん。だったら直接ライドウに言えよって思う」
ゲンマが、あの××どもめ、と不適切な言葉を発したので、俺は軽く睨んでやったのだが効果はなかった。
もてる、という意識はないのだが、考えてみればこの数年でやけに女性から声をかけられるようになった。まあ、女性以外からもあるわけだが。
直接俺に食事などの誘いをかけてくる人もときどきいる。ゲンマを通しての誘いもときどきある。これだけでもかなりの数だと俺は思っていたのだが、ゲンマが断ってくれていた分を合わせるともっといるということで、さらには
「俺もときどき言われますもん。並足先輩紹介してくれって。でも年下興味ないみたいだよって言って諦めさせてます」
とコテツが言い出したので、もしかして俺は今もてているのだろうか、もて期というアレだろうかとふと思った。そういうことを思ったが、コテツが聞き捨てならないことを言ったのでさすがに訂正しておきたかった。
「俺は年下に興味がないとかじゃないんだが‥‥」
「えっ、だってライドウさんって明らかに年上のが好きでしょ」
ですよね?とゲンマの方を見る。何故そっちに聞く。そして何故ゲンマも、その通りだ、などと答えてるんだ。
「こいつ5代目のことすげえ好きだし、コハル様のこともすげえ好きだし。3代目にも抱かれたいって言ってたよな、昔」
「なっ、い、いつの話だ!そんなこと言ってないぞ俺は」
思わず声を荒げてしまい、俺は慌てた。何で動揺してるんだ。
「そうそう、3代目のためなら何でもするっつってた。そんで俺が『じゃあ抱かせろって言われたら抱かれるのかよ』って言ったら本気で照れてた」
アオバが横から口を出す。ゲンマは愉快そうに笑っている。コテツは「ヤッダー」と口を押さえるなどしている。シカマルの反応を見る勇気はなかった。
俺は呆れたような溜息をついて、努めて冷静を装い、やれやれ馬鹿げたことを、これだから酔っぱらいは、のような態度でやり過ごすことにした。
その後もよくわからない酷い話題がいくつか出された後、日が変わって2時間近く経った頃に、酔っぱらい3人はようやく眠りに落ちたようだった。
 
酔っぱらいどもを踏んづけるように気を付けながら後かたづけをした。
ふと部屋を見渡すと、このどうでもいい3人が雑魚寝なのは問題ないのだが、まあタオルケットぐらいは掛けてやるが‥‥シカマルが無防備に寝ているのはどうなのだろうか、と思った。
シカクさんから聞いている話によれば、シカマルは昼寝が趣味らしく、どこででも寝られるのが特技みたいなものだということなので、こうやって床にそのまま寝ているのでも本人は気にしていないのかも知れない。
だがやはり他3人はどうでもよくても、まだ幼いシカマルにそんな待遇はどうだろう、という気持ちが俺の中にあり、考えた末で俺はシカマルをベッドへ寝せることにした。
アオバと違って極力清潔を保つようにしているのでまあいいだろ。そう思いながらシカマルをひょいと抱え上げた。
寝室へ入ると、茶の間にいるアオバがいつもの調子で壁を蹴ったらしく、鈍い音がした。シカマルが少しだけもそもそと動いたので、寝室のドアを閉めてアオバの寝言までは聞こえないようにした。
ベッドへゆっくり下ろすと、シカマルはまたもそもそと動き、ん、と呻き声をもらした。ちょっとだけ目が開いたような気がして俺は焦った。この図は誤解されそうだ。
シカマルの身体へ回していた腕を戻そうとしたが、シカマルはまた動いて今度は俺の身体へしがみついてきたので俺はさらに焦った。
小さい頃親に抱かれたときのことでも思い出しているのだろうか。それとも。
シカマルを起こさないように、俺へしがみついているシカマルの腕や手を慎重に引き離しながら、シカマルの顔を覗き込んだ。
ぼんやりとシカマルの目が薄く開いた。黒目がこっちを向いて、唇がわずかに動いた。声は出ていなかったが、動きだけ見れば俺の名を呼んだようにも見えた‥‥が、気のせいだろうと思った。
シカマルは長めの瞬きをしながら俺を見ている。この状況は非常にまずく、何故なら俺はシカマルをベッドへ連れ込んでおり、寝ているシカマルの腕を取って半ば抱きかかえている状態であり、目を覚ましたときに30過ぎのさほど親しくもない男にこんなことをされていたらたちまち叫び声をあげるのが普通であり、そうなると隣の部屋にはこれまた厄介な奴らが3人待機しているので、あいつらだって叫び声を聞いてもそのまま眠っていられるような神経の持ち主でもないわけで、俺はマダムキラーから一転、ペドかショタコンの称号を受けるに違いなかった。
しかしシカマルはぼんやりと俺を見ているだけで、しばらくそのまま大人しくしていた。どうも寝ぼけているらしかった。チャンスとばかりに、俺はさらに慎重にシカマルを離そうとしたのだが。
俺の努力も空しく、シカマルは急に俺にしっかりと抱きついてきた。
驚いてシカマルの顔を見ると、思ったよりもそれが至近距離にあり、一瞬何が何だかわからなくなった。
唇に柔らかい感触がした。
触れただけですぐに離れたのだが、何をされたのかははっきりとわかってしまった。
シカマルはまたぼんやりと俺を見ていた。俺もじっと見返していた。
が、次の瞬間、それまで半分しか開いていなかったシカマルの瞳が、ぱちり、という効果音が似合うほどに、一気に大きく見開かれた。驚愕の表情で俺を凝視し、また次の瞬間には月明かりでも分かるぐらい真っ赤な顔になった。
「う、あ、あれ?何、俺、俺‥‥今、」
要領の得ない単語だけごにょごにょと言い、唇を震わせていたかと思うと、ばっと自分の唇を覆って、
「わ、す、すいません、俺‥‥なんか寝ぼけたみたいで、その、」
ほんとにすいません、すいません、と何度も謝罪の言葉を口にする。俺が何も言えないでいると、シカマルは目に涙を浮かべ、それをこぼさないよう懸命に堪えているらしかった。
 
忘れられたのに。
お前は忘れたのに。それは良いことだったのに。
あんな思い出を抱えながら生きていくことはないと。
忘れられて良かったのだと。俺はそう思った。
俺は。
俺の方は、引きずっていたものをようやく整理できるはずだった。
俺はそうするべきだった。
忘れられないにしても、いつまでも想い続けるわけにはいかなかった。
お前は忘れているのだから。
俺ばかり想っていても仕方がなかった。
なのに。
俺はこの想いを止めようとしていたのに。
お前は忘れられたのに。
またこうして俺を惑わせて一体何が楽しい。
お前はきれいさっぱり忘れてしまったくせに。
 
ぐ、とシカマルの頭を手で押さえると、俺は強引に唇を重ねた。
シカマルはいきなりのことにただ唖然としていたが、舌を這わせるとさすがに身体を強張らせ、頭を押さえる手をどうにかしようとした。俺はそれを無視してシカマルの口内へ舌を入れた。噛まれると困るのでほどほどにしたが。
唇を離すと、はあ、とシカマルが息をもらした。ついにこぼれてしまった涙を親指の腹で拭ってやると、恥ずかしそうな表情をしたが目は怯えたままだった。
俺は何も言わず、上体を起こそうとしているシカマルを押さえて自分もベッドへ上がり、シカマルに覆い被さる形になった。シカマルは真っ赤な顔で、え、え、と狼狽えの声を出していて、俺がまた強引に唇を塞ぐと、声こそもらさないものの腕や脚をじたじたと動かして抵抗した。
声を上げられると厄介だ。大声を出されそうになったらすぐに塞げるようにと、手を頬に当ててから唇を解放してやった。親指で今度は口の端の唾液を拭う。
シカマルは荒い息でいたが、意を決したように俺をまっすぐに見て、なんで、とだけ言った。
「お前が誘ってきたんだろう」
耳元で小声でそう言うと、シカマルは、誘ったとかじゃ‥‥のようなことをぼそぼそと言っていたが、首筋に吸い付くと大人しくなった。
俺とのことは覚えていないはずだ。だったら、今シカマルが俺に対して特別好意を抱いていることもないはずだった。
なのにこんなに大人しいのは、シカマルは性欲旺盛な時期で、ただ誰かとこうしたい気持ちがあっただけということなのだろうか。
あのときだって、本当は誰でも良かったのかも知れない。たまたま俺のところへ来ただけで。
俺じゃなくても。ゲンマやコテツや、あいつらでも良かったのかも知れない。
普段なら、あいつらの顔を思い浮かべるだけで、少なくとも性的欲求の類は萎えるのだが。
今夜だけは何故か逆にどうしようもない苛立ちを感じて、俺はシカマルの鎖骨の下辺りに噛みついた。
すぐに消えるとわかっていても。
どうしてもシカマルの身体に自分の痕跡を残したくてたまらなかった。
 
 
後悔すると知っていたのに。
もう少し、ほんの少しだけと願ったのは今度は俺の方だった。
これまで俺が誰かに抱いた感情とはまるで違う。
自分の愛や恋というものが、未だある程度純粋なものだと、そんな馬鹿げた思い込みに、俺はこの歳にしてようやく気付き始めていた。
 
 
 
 
 
(続?)
 
 
続きが見えませんが。
アオバさんたちが起きてるとこと寝てからとで落差が酷いのは何とかしたかった。が、駄目っ‥‥!
正直アオバゲンマライドウのスリーマンセルにごちゃごちゃ言わせるのは凄く楽しい。
 
シカマルに対して、
>もっときつく言った方がいいぞと思った
とか、
>ごめんなと俺は思った
とか思ってばかりですが
ライドウさんがシカマルに話しかけられずにいるので思っただけで終わってるんですよね。
あと、年下に興味ないとかじゃない、というのもシカマルに聞かせたいんですよね。
 
そしてすげえどうでもいいんですが
イズモもいて、みんな寝てるとき実はイズモだけ目を覚ましていて、ライシカが寝室でホニャララしているのを聞いてしまい、あわわとなりコテツを起こすも勘違いされてそっちでもコテイズホニャララ
という話を考えていました。でもコテイズ書けないしイズモに台詞与えることが難しくて止めました。
イワシさんにしてコテイワだったら書けたかもしれないな‥‥誰得‥‥
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