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NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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アカデミーを卒業し、下忍としても認められ、10程度の任務をこなした後、中忍選抜試験を受けることになった。
めんどくせえ。めんどくせえけど、それなりの忍びになって早々に引退したい俺はまあまあ頑張って修行した。
 
毎日めまぐるしく過ぎていく時の中で、性欲に関して考えることなどできなかった。まあ、処理はそこそこしていたし、アスマの男らしい身体も嫌いじゃなかったけど。
睡眠欲が何より重要で、他の欲についてまで頭が回らなかったんだ。
元々俺は淡泊な方‥‥のはずだし、じーちゃんみたいに落ちついてるともときどき言われるほどだったから(これは心外だ。12歳に言う台詞ではないと思う)。
中忍試験後は色んなごたごたがあって、すっかりそんな気分じゃなかった。
それなのに、やはり若い身体ってのは正直なもんで。
 
何の用だったか忘れてしまったけど、アカデミーに行ったんだ。
そしたら向こうにイルカ先生が見えて、俺の姿を見た途端、子犬みたいな笑顔で走り寄ってきた。
「シカマル!」
不覚にも、一回り以上年上のイルカ先生をかわいいなんて思った。
「よくやったなあ!凄いじゃないか!」
とかそんな感じの誉め言葉をまくし立てながら、イルカ先生は俺をガバッと抱きしめた。
小さい生徒とかナルトとかにやってんのはよく見るけど、自分がそうされるのは初めてだった。
想像したことはある。でもきっと俺はそんなことされたら理性が効かなくなって大変なことになるだろうと予想がついていたから、その先を考えるのはやめておいていた。
額がイルカ先生の胸に密着するほどに抱き寄せられていて、ずっとずっと焦がれていたにおいを思いも寄らないほど近くで感じた。まさに、感じてた。
俺の気持ちをよそにイルカ先生は一方的に抱きしめ、一方的に身体を離し、それでも俺の肩に手は置いて、俺の目を見てしゃべっていた。おめでとうとかどうとか。内容はよく覚えていない、というより、聞いてなかった。
イルカ先生は嵐のように慌ただしく去っていった。これから任務なんだとか言ってた。
俺は廊下に立ちつくしたままでしばらく動けないでいた。
俺の予想とはだいぶ違っていた――微動だに出来なかった。
衝動でイルカ先生に抱きつくとかキスするとか、そんなことは全然なく、ただ呆気にとられていた。
情けねえ‥‥けど、これで良かったんだ。
うん。理性をなくすよりはずっといい。知られちゃいけない。
イルカ先生に肉欲を抱いてることを、イルカ先生にも、他の誰かにも。
 
イルカ先生に誉められた理由はその夜、両親から聞いた。
俺は中忍試験にただひとり合格したらしい。
めんどくせえことになった‥‥俺は久しぶりにマフラーを巻いてベッドに入った。
いい加減汗ばむような陽気の続く頃だった。
 
あのまま会う機会が減っていれば良かったのに。
せいぜい任務報告書を提出するときに「お疲れさま」と言われる程度で。
あんなに近くにイルカ先生を感じたら忘れられないじゃないか。
思い出させてどうすんだよ。
責任取ってくれんのかよ。
中忍になってすぐはずっと雑用に使われる日々だった。
大変だったけどつらいとまで思ったことはない。任務先で命すり減らすよりはずっとマシだった。
でも、苛々していた。
大人と接することが下忍の頃に比べてかなり増えた。
子ども扱いされるのは癪だけど、年上と話すのは楽しい。同年代よりずっと話が合う。
もちろんチョウジやナルト達と話すのも楽しいけど、それとは本質的に違っていた。
一方で、同年代と過ごしていては絶対に起こらない衝動もあった。
それは特に20代半ばから後半の男性相手に。
誰かをどうこうしたいわけじゃない。思い出して欲求のはけ口にすることもなかった。
けれど、ごつごつした指や、出っ張ったのど仏なんかを見ると、どうしようもなく心の奥が切なくなった。
 
「自分は人とは違うのかもしれない」が「自分はおかしいのかもしれない」に変わった頃、俺は夜のアカデミーに忍び込んでいた。
 
様々なトラップを避けて職員室までたどり着く。
何でこんな苦労してまでこんなとこに来てるのかよくわからないまま、俺はイルカ先生の机の前で足を止めた。窓際、月明かりで照らされていた。
椅子にタオルがかかっている――アカデミー時代からよく見ていた。間違いなくイルカ先生のものだ。
慎重に辺りの気配を窺って誰もいないことを確かめると、俺はそれを手にとって、顔をうずめた。
イルカ先生。イルカ先生。
膝をついて、あのときマフラーにそうしたように、何度も息を吸った。
それで満足するほど身体は枯れていない。俺はやっぱり我慢できなくなって、ズボンの前を開けた。
誰か来たらどうしよう。こんなところを見られたら――それでも手は絶えず動いて、ほどなくして俺は絶頂に達した。床に白い液体が散る。それを見て我に返った。
うわ、俺、何てコトを。急いで前をしまい、ティッシュを探した。そのときだった。
 
「どうぞ」
 
声がした。低い、ちょっと籠もった男の声だった。
驚いて、あまりに驚いて、その場にへたりこんだ。
見上げると、額当てを斜めにして目を隠し、口を布で覆った銀髪の男がそこにいた。ポケットティッシュを差し出している。
俺は呆然と男を見た。いつから。どうして。どうやって。あんなに念入りに気配を探っていたのに。
俺がティッシュを受け取らないのを見て、男は自分でそれを使って床を拭き始めた。う、うわ。俺は慌てた。自分が出したのを人に片づけてもらうなんて。
でも見られたショックで言葉が出なかった。その場に座り込んだままうつむいた。
「アスマんとこの‥‥シカマルくん、だっけ」
男はその辺のゴミ箱にティッシュを投げ入れると、俺に向かって言った。名前を呼ばれてとっさに顔を上げる。そう言えばこの人、見覚えがある‥‥ナルトのとこのカカシセンセイ、だ。中忍試験でも何度も顔を合わせてたくせに今更気付いた。
「意外と大胆なことするね。俺でもしないよー、さすがに職員室では」
言われて俺はまた真っ赤になって顔を下げる。全身の血が頭にのぼってきたみたいに、手足が異常に冷たくなってるのがわかる。
どうしよう。どうしよう。見られた。
視界が霞む。目頭が熱くなる。懸命に耐えた。
「イルカ先生のこと好きなの?」
カカシセンセイは机を見ながら言った。俺はほんの少し首を横に振るのが精一杯だった。
 
「じゃあ男が好きなんだ」
 
その一言に、俺の中の何かが音を立ててくずれた気がした。
俺は、男が、好き?
同性愛ってものがこの世に存在することくらい知っていたのに、その答えに行き着いたことはなかった。否定する言葉が見つからない。
「友達は知ってんの?その年じゃ言えないかな」
聞いて、俺は声を絞り出すように言った。
「‥‥言わないで、ください」
「ん?」
「誰にも、言わないでください」
それに対してカカシセンセイは意地悪く、んー、と考えるような仕種をした。俺は必死だった。
「何でもします」
「‥‥何でも?」
「はい」
悔しさに唇を噛みながら、俺はカカシセンセイの目が光るのを見た気がした。
カカシセンセイはにやりと笑って言った。
 
「じゃ、俺とつき合ってよ」
 
「‥‥え?」
つき合うって、交際のことだろうか、それとも一晩つき合えよって意味だろうか。
「俺ねえ、イルカ先生のこと好きなんだよね」
唐突にカカシセンセイが告白し始めた。
「でもイルカ先生、男に全く興味を示さないっつうか。俺がどんなにアピールしても、かわいい嫁さんが欲しいんですよとかさらりと言うんだもん。だからもう諦めようと思って」
飄々と語る。真意がわからず、俺はただ聞いていた。
「ここらで新しい人見つけようかなーってね。シカマルくん、まだ男知らないデショ?俺が教えてあげる。つき合ってみる、って軽い気持ちで良いよ。身体だけでもかまわない。他に好きな人ができたらそれでもいい。どう?」
「どう、って‥‥」
何という破格の条件だろう。俺にメリットありすぎて怪しい気さえする。
この人そんなに相手に困ってるのか?そんなはずない。上忍ってだけでも食いついてくる女は沢山いる。もちろん、男も。
イルカ先生に惹かれてるってことは子ども専門なわけでもなさそうだ。俺みたいなガキ選ぶ理由なんてどこにあるんだ?
「俺なんかでいいんすか」
つい思ったことを口にしてしまう。カカシセンセイはふっと笑って
「うん。いいよ」
とだけ言った。
「じゃあよろしくお願いします」
何でもすると言った以上、頷く他ない。ぐだぐだ考えてても仕方ない。俺は覚悟を決めた。
「はい、こちらこそ。もう帰る?俺はこれから任務だから送っていけないけど、気を付けて帰ってね」
「はあ」
頑張ってくださいと続ける間もなく、カカシセンセイはおやすみと言って姿を消した。
しばらくはカカシセンセイのいた場所を見つめていたが、ふと気が付いて慌てて職員室を出た。
帰りも様々なトラップを避けて。ひとつふたつうっかり引っかかりそうになったけど、何とか無事にアカデミーを抜け出して家へ戻った。
 
眠りの浅い夜が続いた。
カカシセンセイとどんなことをするんだろう。何を教えられるんだろう。
そう思うとたまらなかった。
イルカ先生を思い出しさえしない夜が続いた。
 
肉欲に忠実なこの身体。まったくもってめんどくせえ。
 
 
 
 
 
 
(了)
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無題
初めまして!あまりの衝撃に、勢いでコメントをさせていただきます。失礼があったら、すみません!こちらで、カカシカを初めて読ませていただきましたが…ありです!バッチコイ☆です!私はカカシ先生が他のナルトキャラのお相手をするのは、受け入れられない!と思い込んでいたのですが、こちらのお話を読んで、新しい世界が開けました!カカシカ☆すっごくドキドキしながら読ませて頂きました!ありがとうございました!続きを楽しみにしています!
ソウ 2009/03/30(Mon)22:46:21 edit
コメントレス>ソウ様
初めまして、来訪&コメントありがとうございます。
凄くびっくりしたんですが‥‥マジですか、これで新世界が開けちゃったんですか‥‥!!エイプリルフールじゃなくて!?
嬉しいです、でもとんでもないことをしてしまったような気もします、でも嬉しいです(´∀`)
カカシカも思いつき次第また書いてみることにします。シカマル受はどうにも全部シカマルがただもじもじして終わるんですが‥‥頑張ります。
これからもどうぞよろしくお願いしますね。本当に嬉しいです。ありがとうございます!
いちかわ 2009/03/31(Tue)22:55:44 edit
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