NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
帰り道はお互いほとんど喋らなかった。
カカシセンセイの家はフツーな感じのアパートで、いかにも独身の男が住んでそうな雰囲気だった。
俺はちょっとどきどきしながら部屋に入った。
俺はちょっとどきどきしながら部屋に入った。
中は意外と片づいていた(カカシセンセイのことだからもっとだらしないと思ってたのに)。
無駄なものを嫌ってる感があった。装飾品とかあんまりない。
無駄なものを嫌ってる感があった。装飾品とかあんまりない。
まだ手をつないだままで、俺は離そうと力を緩めたけどカカシセンセイは離す気がないようで、仕方なく台所にもついていった。冷蔵庫に買ってきたものを入れるときにようやく両手が自由になった。
「まだ夕飯には早いねえ」
カカシセンセイはつぶやいて、茶の間に戻る。俺は後に続いた。
腰を下ろしたカカシセンセイの隣にちょこんと座る。
何だか落ち着かない。大人の家に大人とふたり、なんて初めてだし。
何だか落ち着かない。大人の家に大人とふたり、なんて初めてだし。
「何でそんな離れるの」
カカシセンセイが言った。
「別に離れてねえけど‥‥」
「えー、遠いよー」
そ、そうなのか、大人基準では遠いのかな。
俺は素直にちょっとだけ近づいた。でもカカシセンセイはまだ不満だったようで、手を伸ばして俺の肩を抱き寄せた。
「うわっ」
「うわっ」
とっさに声が出て、離れようとしてしまう。が、カカシセンセイの力にかなうわけもなく、俺はすっぽり抱きかかえられた。
ええ。何か‥‥何かこれ‥‥
「ちょ、ちょっと待った」
「やーだよー」
「待ってって‥‥」
耳があっつくなったのがわかる。うわ。絶対顔真っ赤になってる。
懸命に何でもない風を装ってじっとしていた。
カカシセンセイは片手で俺を抱きしめて、片手で俺の手を取った。
今度はただ握ってるだけじゃなく、指を絡めたり手の甲を撫でたり。
カカシセンセイは片手で俺を抱きしめて、片手で俺の手を取った。
今度はただ握ってるだけじゃなく、指を絡めたり手の甲を撫でたり。
その動作が、何というか、性的というか、ぶっちゃけエロくて、うっかり身体が反応しそうになる。いや、半分反応してる、既に。
ばれませんように、すぐ収まりますように、と願って、必死にガイセンセイの顔とあのポーズを思い浮かべた。
あーいうのは好みじゃないから、すぐ萎えるかなと思って。まあ、無駄な努力だったけど。
あーいうのは好みじゃないから、すぐ萎えるかなと思って。まあ、無駄な努力だったけど。
目の前にカカシセンセイの胸板がある。
カカシセンセイのにおいが俺の鼻をくすぐる。
それは、イルカ先生の禁欲的なものとも、アスマの煙草や酒の混じった男臭いものとも違った、甘くて扇情的なにおいだった。――身体が芯から熱くなる。
カカシセンセイのにおいが俺の鼻をくすぐる。
それは、イルカ先生の禁欲的なものとも、アスマの煙草や酒の混じった男臭いものとも違った、甘くて扇情的なにおいだった。――身体が芯から熱くなる。
カカシセンセイは俺を抱きしめてた方の手を戻して額当て(カカシセンセイにとってはほとんど目当てみたいなもんだが)を外して、惜しげもなく口布も取ってみせた。
ナルトが「カカシ先生の素顔ってどうなってんだろうなー!ちくしょう、気になるってばよ!」ってうるさかったのを思い出した。
悪いな、俺が先に見ちゃったよ。
いやいや、恋人の素顔を今の今まで知らなかったってのは問題がないか?いいのか?
まあいいか‥‥。
そういうどうでもいいことを考えてないとのぼせあがりそうなくらい、カカシセンセイは整った顔立ちをしていた。何となく想像はしてたけどさ。
「そんな簡単に見せていいのかよ」
俺は照れ隠しに言ってみたけど逆効果だった。
「だってキスできないデショ?」
カカシセンセイが俺の顔を覗き込んだ。
うわ、近い。え、キス?キスって言ったか、今。
俺はとっさにぎゅっと目をつぶった。
誰かの顔をこんなに近くまで感じたことはなかった。まさか、初めてが「写輪眼のカカシ」であろうとは‥‥俺、普通の嫁さんもらって普通の生活するつもりだったのになあ‥‥。
初めてしたキスとかいうものは、ちょんと触れただけで終わった。
目を開けるとカカシセンセイが俺を見下ろして微笑んでいる。むかつくくらいカッコイイ。
何だよ、俺みたいな子ども相手には大人なキスはできねーってことかよ。
不満が顔に出たのか、カカシセンセイはふふ、と笑って、
「物足りない?」
と聞いた。
「そんなんじゃねえよっ」
俺はむっとして答えた。身体の熱はまだ収まりそうにない。
「だってシカマルくんたら、しっかり口閉じてるんだもん」
カカシセンセイはおかしそうに言う。
「な、ど、どうしろっての」
俺は戸惑ってそんなことを聞いてしまう。初めてですよ、ガキですよ、って丸出しの台詞じゃねえか‥‥自己嫌悪に陥った俺の頬を撫でて、カカシセンセイは言った。
「軽く口ひらいて?」
言われたとおりにしたけど、何かこれバカみたいにポカンと口開けてるだけみたいに見えないか。
俺の心配をよそに、すぐにまたカカシセンセイの口が近づいてくる。俺もまた目を閉じた。
ちゅう、と唇を吸われる。思わず身を引きそうになったけど、抱きしめられてるのでそうはいかなかった。
熱くて柔らかい――舌?うわ、舌!
熱くて柔らかい――舌?うわ、舌!
吸われたり舐められたり。俺は身体を震わせた。
何もできなかった。
ただ舌を噛まないように必死だった。
最後に大きく口内を舐められて唇は自由になった。息が漏れる。
何もできなかった。
ただ舌を噛まないように必死だった。
最後に大きく口内を舐められて唇は自由になった。息が漏れる。
目をつぶったままでカカシセンセイに身を預けた。はー、と溜息をつく。
カカシセンセイは何も言わずに黙って俺の頭を撫でて、ときどきしっぽ髪に指を絡ませた。
しばらくは抱き合ったまま、お互い口をひらかなかった。もうしねえのかなあ、とか、これ以上しねえのかなあ、とかちょっと期待してる自分が情けない。
「お腹空いた?」
急にカカシセンセイが耳元で言ったので、俺はびくんと反応してしまった。
口布をしてないぶん吐息がまともに耳にかかる。バカ、せっかく少し収まってきてたのに。
口布をしてないぶん吐息がまともに耳にかかる。バカ、せっかく少し収まってきてたのに。
「いや‥‥あんまり」
チョウジと違って俺はそんなに食べる方じゃないし、まだ日も暮れてないしな。腹減ってなかったのは事実だ。でも、まあ、その先を期待してたのも事実‥‥。
「続きしようか」
わざわざ明言して、カカシセンセイは俺の耳を唇で甘く噛んだ。
「え、え‥‥っ」
「嫌ならやめとくけど」
そう言いつつも手はさらに先に進む。
ほんとに嫌だったらカカシセンセイはやめてくれただろうし、俺も情けない下半身の高まりを知られることはなかったはずなんだけど。
「そんな気持ち良かった?それともふたりきりでいて興奮しちゃったのかな」
カカシセンセイがにやにやしながら俺の目を見下ろす。俺は悔しさに唇を噛んだ。
ちくしょう。俺をこんなのに目覚めさせた責任はいつか取ってもらうぜ、イルカ先生。
「わりぃ!遅くなって!」
「おっそーい!シカマルったら、何‥‥」
朝。10班の集合場所に、俺は10分ほど遅刻していった。
まあ。その。簡単に説明すると、朝帰りだった。
昨日はあの後あちこち触られてへろへろになって、服も汚してしまった。
カカシセンセイは、服は洗濯しておくし今日は泊まっていきなよ、と言った。
帰ればよかったのに、性に目覚めた身体は拒否できなかった。そのまま泊まっていった。
あ、いや、最後まではしてない。触ったり舐めたり、その程度。誰に言い訳してんのかわかんねえけど‥‥。
夜中に雨が降り出したらしい。朝には小雨になっていたけど、俺の服は乾かなかった。
どうしよう、もう任務行きたくない、めんどくさい、という思考になった俺だけど、カカシセンセイは自分の服を貸してやるから行ってこいと言った。
明らかにサイズ合わないけど他にどうすることもできなく――いや、本当はいくらでも方法は思いついただろうに、俺が考えるのをやめてしまったのだ。
何となく、こう、いいかなあと思ってしまった。恋人の家に泊まって、恋人の服を借りて出勤するとか。
何となく、こう、いいかなあと思ってしまった。恋人の家に泊まって、恋人の服を借りて出勤するとか。
黒い長袖のTシャツとハーフパンツ、できるだけ小さめのを選んで、パンツはベルトで締め上げて、まあそこまで不自然じゃない格好になったと思う。何か言われたら父ちゃんの借りたとかで誤魔化せばいいや。そう思って家を出てきた。が。
集合場所に現れた俺を見て、いのは吹き出した。指さして笑ってやがる。
チョウジは朝からポテトチップスを頬張って、不思議そうに俺を眺めてる。
アスマはポカンと口を開けて俺を凝視していた。
チョウジは朝からポテトチップスを頬張って、不思議そうに俺を眺めてる。
アスマはポカンと口を開けて俺を凝視していた。
「な、なんだよ‥‥」
俺はさすがに不安になった。どっかに情事の痕でも残ってんのか?
「アンタでもそんなことするんだー」
いのは笑いすぎて涙目になっている。わけが分からず、俺は助けを求めるようにチョウジを見た。
「シカマル、頭にリボンついてる」
チョウジはぽつりと言った。
へっ、リボン?
俺は頭に手を伸ばした。いつもはただの紐で縛ってる髪、今日も同じように縛ってきた‥‥はずだが、なんかひらひらしたもんが結んである‥‥引っ張って取ってみると、それは真っ赤なリボンだった。
あんのクソ上忍‥‥!!
出かける寸前に長いキスをされたのを思い出した。きっとあのときだ。なんか妙に頭撫でられてるとは思ったんだ。今度会ったら殴ってやる!
俺はリボンをくしゃくしゃに丸めてズボンにつっこんだ。
「なんだ、父ちゃんにでもイタズラされたのか?」
アスマが煙草を吸いながらフォローしたので、俺はその方向で話を誤魔化しておいた。
だらだらと任務を終える。昨晩はちょっと張り切りすぎた‥‥日の光のもと、色々思い出して顔が熱くなりながらも、ミスらしいミスはしなかった。
解散の言葉とともに、3人は別々の方向に歩いていく。何故かアスマは真っ直ぐアカデミーに向かわず、俺の後についてきた。
「何か用かよ」
俺が聞くと、アスマは言いにくそうにしながらも口をひらいた。
「お前よう‥‥昨日、カカシんちに泊まったのか?」
「は‥‥!!」
途端に俺は真っ赤になった。なんでばれた?やっぱりどっかに痕が残って‥‥
「その服、カカシに借りたんだろ」
「な、なんで」
「腰のとこにあいつのマーク入ってる」
腰?マーク?腰にキスマーク残ってるってことか?あのときにつけられたアレか?でも俺今日はずっと服着てたし見えるはずが‥‥などと見当違いのことを思っていると、アスマが指をさした。目をやると小さくへのへのもへじが書いてあった。
く、クソ上忍‥‥!!アスマがこのマーク知ってるの承知でこの服着せやがったな!
「どうせリボンもカカシのイタズラだろ。あいつらしいぜ」
ふう、とアスマは煙を吐く。
「ま、おめーの趣味をとやかく言うつもりはねえけど‥‥火遊びはほどほどにしろよ」
アスマは意味深なことを言って、じゃあな、と姿を消した。あとには頬を赤くして呆然としてる俺が残された。
ふらふらしながら家に向かう。
途中、あの男に仕返しする方法をずっと考えた。
それは今までに考えてきたどの戦術より難しかった。
(了)
途中、あの男に仕返しする方法をずっと考えた。
それは今までに考えてきたどの戦術より難しかった。
(了)
PR
この記事にコメントする