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いつもの公園のベンチでのんびり昼寝をして、夕方にふと目を覚まして隣を見たら、カカシセンセイが気配もなく本を読んでいた。
「‥‥いつの間に‥‥」
「んー、かれこれ1時間半は気付かれなかったかなあ。隙だらけでどうしようかと思ったよ」
視線を本に落としたままで言う。
なんだよ、来たんなら声ぐらいかければいいじゃねえか。何で完全に気配消してんだよ。
仮にも恋人が寝てる横で18禁本読んでるってどんな状況だよ。
「随分暇をもてあましてるのねえ」
「うるせー。何か用なのかよ」
「用あったら話しかけるデショ」
「じゃあ何で1時間半もいたんだよ」
「寝顔がかわいくて見とれてたから」
今だって俺の方をちらりとも見ずに、熱心に本読んでるくせによく言う。
俺はベンチの上であぐらかいて、しばらくは雲の流れを見てぼーっとしてた。
何か、帰る気にもならないし。
「暇ならうちに来る?」
読み終えたのか、カカシセンセイは本を閉じてやっと俺の方に顔を向けた。
「へっ」
カカシセンセイの家?そんなの、俺が入っていいんだろうか。
いや、つき合ってる、つき合ってるけど、俺は中忍になったばっかりだし、カカシセンセイは上忍だし。上忍の家ってそんな簡単に行っていいもんなのか。場所教えて大丈夫なのか。
「まだ帰るには早いでしょ。飯食ってけば」
カカシセンセイが立ち上がったので俺もつられる。
んー、まあいいか。深く考えるのもめんどくせえし。
「何食いたい?サンマ?サンマ食う?」
「アンタが食べたいんだろ、それ」
「バレたの?」
魚は骨あるのがめんどくさいけど今の時季のサンマはおいしそうだしなあ、と思って俺は了承した。
夕暮れの商店街は主婦やら親子連れやらでにぎわっていた。
「手、つなごうか」
突然カカシセンセイがそう言って、俺に手を差し伸べた。
俺は驚いてカカシセンセイの細長い指を見たけど、すぐに上目遣いに睨みつけて、
「子ども扱いすんなっ。はぐれやしねえよ」
と文句を言った。
今度はカカシセンセイが驚いてちょっと黙ったけど、んー、と後ろ頭をかりかり掻きながら口をひらく。
「いや、恋人同士が手つないで歩くのはフツーなんじゃないの?」
あ、と俺は思わず声をあげた。
‥‥俺ってなんて子どもなんだろう。自分ではそんなつもりはなくて、同年代のやつらよりはずっと大人だって自信があったのに。
手をつなぐという行為を、大人と子どものものだと思い込んでたなんて。
真っ赤になって黙った俺をカカシセンセイは面白そうに見て、もう1度手を伸ばした。
俺はちょっと迷いつつも自分の右手を重ねた。
カカシセンセイの手は俺のより少し冷たかった。俺も体温は低い方なんだけど。
夕飯の買い物をちょくちょくして、このくらいでいいか、って言ってカカシセンセイの家に向かおうとしたときだった。
俺はとっさにカカシセンセイの手を振り払ってしまった。
前方にちらっと見えた黒いしっぽ髪と、その隣を歩く熊みたいなでかい男。
あれは――
「あれっ、カカシ先生とシカマルじゃないか」
向こうもこっちに気付いて、笑顔で駆け寄ってくる。
「どーも、イルカ先生」
カカシセンセイは隣のでかいのが見えないかのように、イルカ先生にだけ笑顔で挨拶した。
「珍しい組み合わせだな」
アスマはおかまいなしにそう言って、ふたりをじろじろ見た。
「カカシ先生がシカマルと仲いいとは驚きました」
イルカ先生も不思議そうに言って、俺の方にも笑いかける。
や、やめて。そんなに見ないで。
俺は赤くなった顔を見られるのが嫌でそっぽを向いた。しかし
「ええ、これからうちで一緒にご飯食べるんですよ」
カカシセンセイが(やっぱりイルカ先生の方を見て)愛想良く言ったので、俺は焦った。
別にそんなのばらさなくても良くないか?つーか、俺らの関係知られたくないんだけど!
「へえ、そんな仲だったのか」
「どんな仲だよっ!」
アスマの言葉に俺はつい反応してしまう。
「照れることないじゃない。今日だって公園デートの帰りなんだし」
「ほう」
「何がデートだ!あれは」
反論しようとした俺の手を強引に握り直して、カカシセンセイはまた笑顔でイルカ先生に言った。
「じゃあそういうことなんで失礼しますね」
「シカマルに変なこと教えないで下さいよ」
「大丈夫です、ただの社会勉強ですから」
イルカ先生が笑いながら答えて、「またな、シカマル」と手を振ってくれたので、俺は何も言えなくなって、カカシセンセイに手を握られたままその場を後にした。振り向くことはできなかった。
(続)
これ書いた時点ではまだナルト全巻読んでなくて。9巻の途中までしか。
サイトは巡ってたから中忍昇格は知ってました。
雲をぼんやり眺める仕種もただの妄想だったんですがまさかほんとにそういう子だったとはなあ。
いいなあ。
(続)
これ書いた時点ではまだナルト全巻読んでなくて。9巻の途中までしか。
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雲をぼんやり眺める仕種もただの妄想だったんですがまさかほんとにそういう子だったとはなあ。
いいなあ。
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