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自分が人と違うってのは、もう何年も前から気付いていたことだった。
最初は、周りより少し大人っぽいからだと思っていた。
だから自分には恋愛感情というものが湧かないのだと。
アカデミーで同じクラスになった女の子に好きだと言われたりプレゼントを貰ったりしても、「ときめき」というものを全く感じなかった。
友達につき合ってくのいちの更衣室を覗いたときも何も感じなかった。
きっと同年代の子では駄目なんだ。
俺と話が合うような、もっと大人で知的な人じゃないと。
その考えはあながち間違いではなかったけど、自分が女の子にときめかない本当の理由に気づき始めたのは、アカデミーを卒業する少し前だった。
雪が降り始めていた。
遅刻して、宿題忘れて、その上居眠りもかました俺はイルカ先生に説教を受け、挙げ句罰として教室の掃除をさせられていた。
めんどくせえ、めんどくせえと何度もぶつぶつ言いながらも、何とか掃除を終わらせた。
やっと帰り支度を済ませてドアへ向かったら、イルカ先生が
「おい、お前そんな薄着で帰るつもりか?」
と驚いたように言った。
基本的に俺は薄着なんだ。その日は寝坊して一応急いでいたし、適当に上着を羽織っただけで出てきた。
「いくら若いからって風邪引くぞ、まったく」
そう言いながらイルカ先生は鞄からマフラーを取り出して、俺の首にぐるぐる巻いた。
濃いグレーの何の変哲もないマフラー。
「走って帰るからいいって‥‥」
俺はイルカ先生の熱血なとことか、心配性なとことかが苦手だった。
熱血なんて俺には似合わないし、そこまで人に干渉する意味もよくわからない。
断ろうとする俺を制して、イルカ先生は強引にマフラーを貸してきた。
仕方なくそのままアカデミーを出た。
ひゅう、と冷たい風が顔に吹いて、思わずマフラーに鼻先をうずめた。
ひゅう、と冷たい風が顔に吹いて、思わずマフラーに鼻先をうずめた。
途端、俺の身体の奥底が燃え上がった気がした。
イルカ先生のにおいがする。
女の子がさせるような甘い香りや柑橘系の香りではなくて、もっとこう、石鹸と汗のにおいが混じった男らしいにおいだ。色気なんか感じさせない、禁欲的なにおい。イルカ先生らしい。
それが俺の奥に火を付けた。
何故かはよくわからないまま――身体が興奮してるのだけ感じた。
急いで帰って、自分の部屋に籠もる。
上着を脱いで、でもマフラーはつけたままで。
ベッドに横になり、鼻先をマフラーで覆って何度も何度も深く息を吸った。
しばらくはじっとしていたがやがて我慢できなくなり、ズボンのファスナーを降ろした。
夢中だった。
12年間生きてきた中で1番興奮した日だった。
元々そんなにテンションが上がることは少ないのに。
結局そのまま2回、寝る前にも1回、射精した。マフラーを巻いて。
次の日の朝はさすがに自己嫌悪と罪悪感にさいなまれた。
早いうちに職員室へ行き、イルカ先生にマフラーを返した。
ありがとうゴザイマシタ。と律儀に頭を下げる俺を、イルカ先生は不思議そうに見て、笑った。
その笑顔は今までよりずっと魅力的に見えたけど、まともに目を合わせることはできなかった。
帰りに商店街に寄って、グレーのマフラーを探した。
似たようなのはすぐ見つかった。
イルカ先生のにおいはしなかったけど、毎回のようにそれを巻いて自慰を繰り返した。
女の裸を見ても興奮しない俺の、唯一の欲求対象だった。
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