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優秀な医療忍者の方々によると 俺の記憶はごく一部が抹消されてしまったらしく
けれどそれは 取るに足らない記憶
任務によって得た経験が多少なかったことになった程度で
この先生きていくには特別支障はないだろうということだった
のに
俺にとっては その失われた記憶こそが
今日も朝から忙しい。
中忍に昇格して1年ちょっとになる。いのやチョウジや他の奴らも同じ階級になって、改めて自分の就いてきた任務の内容は異常なのだと気付かされた。
Aランク任務。厄介な仕事、厄介な相手ばかりだ。敵も依頼人も、時には仲間さえも。アスマの隊に組み込まれることが多かったのは救いだった。全く知らない術や能力の持ち主とでは、策を練るのも実際に動くのも果てしなく面倒な作業が待っていた。
それも経験と割り切って、多少のヘマはやらかしつつもそこそこ上手くやっていっているつもりだった。少なくとも途中まではやっていけていた。
何か深く考え込まなきゃならねえことがあるのはとても面倒だ。
答えがあるのなら、自分ひとりで答えを出せるのならいい。
だが今俺が考えていることは、そういう類のものではないらしかったし、そもそも俺はその答えを知るのが怖かった。
少し前の任務で忘却術を受けた。
ギリギリかわせそうでかわせなかった、つまりまともに食らったわけでもなかったので、幸い大事には至らなかった。と、周りは思っている。それほど重要でない記憶が少しばかり失われたのだと。
俺はその無くなった記憶の内容を知らない。当然だ、忘れてしまったのだから。
だからこそ、その記憶が重要かそうでないか判別できない。
周りは重要でないと言う。
周りが重要だと思うことに関しては、俺は質問されたすべてに答えられたからだ。
ならいいかと俺も考えた。
あの程度の術で忘れてしまえるくらいの記憶なら、最初からいらなかったのだと。
なのに。
しばしば奇妙なことが起きた。
特定の人物の近くにいると、妙に胸がざわざわする。
気付けば目で追っていて、相手がこっちを見ると慌てて視線を逸らし、その場を立ち去りたくなる。走って逃げたくなる。そのくせずっと見ていたいし、本当は見て欲しいのかもしれない。
変に思われたくないのに、話しかけられると緊張して上手く喋れない。
よくわからない。
これはまるで。
でもそんなことはありえないはずだ。あの人との接点はほとんどない。
ときどき応援に駆けつけてくれることはあったが、同じ小隊になったことはないし、挨拶や世間話以上の会話なんてした覚えがない。
‥‥いや、確かに少しは気になる存在ではあったけど。
‥‥いや、確かに少しは気になる存在ではあったけど。
だからといって、急にあの人にそんな感情が起こるなんてありえない。
でも
「覚えがない」だけで、本当は何かあったのだとしたら。
俺が忘れているだけだとしたら。
もうひとつ、奇妙なこと。
俺の部屋に、明らかに俺のサイズではない服がある。
ごくありふれた忍び用の服で、成人男性用としても少し大きめだ。180cm前後の人のものだと思う。
オヤジのではない。綺麗に畳まれて袋に入っていたから。俺が畳んだにしては綺麗すぎる気がした。
誰かに借りたのだろうか。それなら洗ってアイロンまでかけたのは母ちゃんのはずだ。何か知っているかもしれないと服を見せて聞いたところ
「ああ、借りたものだから自分でやるってひとりで妙に時間かけて洗ってたじゃない。忘れたの?」
と呆れ顔で言われた。
やはり誰かに借りた服らしい。その相手までは母ちゃんは聞いていないという。
返さなければならないのに、俺はその相手を忘れてしまっている。
でも
うすうす気付いている。
俺は借りた服をこんなに丁寧に扱ってる。
例えばアスマやゲンマさんやアオバさん、そういう(いい意味でも悪い意味でも)どうでもいい相手なら、ここまでするはずがなかった。
俺はこの服を借りた相手にどうしようもなく特別な感情を抱いてる。
尊敬や憧れだけでは説明のつかないような。
今、俺がそういう感情を感じている人と言えば。
その理由もきっかけもわからない、いや、忘れてしまった?のに。
あの忘却術は正確には記憶操作の術だった。
記憶だけを消し去る。
それなら、記憶とそのときの想いとは別なのだろうか。
そのとき湧き上がった感情は消えずここに残っているのだろうか。
とりわけ単純明快な、好き嫌いなどという感情なら、なおさら。
なんて、厄介な。
すべて忘れてしまえばよかった。
報われるわけもない。
きっと胸の内にしまって忘れるのを待つだけだった感情なのに。
むしろそっちだけ忘れさせてくれればよかった。
記憶よりも。
俺はこの感情の方を消したかったはずだ。
きっと、そうだ。
1番、奇妙なのは。
忘却術を受けてからあの人と何度か挨拶程度の会話はしたのに、1度もそんな話題が上ったことがない。
この服があの人のものだとしたら、何故何も言わないのだろう。
俺からは聞けずにいる。
すべて推測。
俺だけでは答えを出せない。
でも
あの人がこの服を自分のものだと言ったら
俺は答えを見つけてしまう。
あの人と、この感情と、なくした記憶について、今以上にもっと考え込まなければならなくなる。
そんな面倒はごめんだ。
推測のままでいい
本当のことなんか、俺は知りたくない
知らなくていい
このまま忘れてしまいたい
のに
今日も1日ぐだぐだもやもや考え込んで終わる
知りたい、わけじゃ、ない。
知ったところでどうにもできないのはわかっている。
でも
知らないままでもどうにもできないのは同じだ。
だったら いっそ
いきなり記憶喪失ネタですみません。
記憶をなくしても想いは残る、というのは某ゲームインスパイアですすみません。
口調がシカマルっぽくなくて自分でもイラッとするのですが、会話文でない文だととても難しいのです。
「ない」をすべて「ねえ」に変えようかと思ったが‥‥
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