NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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‥‥朝。テントの中でひとり、昨夜のことを思い出しながら、俺は羞恥に泣き出したい気持ちだった。
何で俺はよりによってライドウさんに。あんな姿を。
里での仕事や任務でも何度か一緒になって、ライドウさんのことは少し気になる存在ではあった。
ゲンマさんやアオバさんやアンコさんへの対応の仕方とか、見ていて面白い。冷静で落ちついていて、ときどきさらっときついことを言う。
アスマや親父にはあまり「大人」を感じたことがねえけど、ライドウさんは本当に「大人」な人だと思った。俺もあーいう「大人」になりてえと。
つまりは憧れとか尊敬とか、そういう類の感情を抱いていたはずだった。
‥‥のに、何で、あの身体の状態で、ライドウさんのところに行くことにしたんだ、俺は。
最初は医療忍者のテントに向かってた、確かに。
でもライドウさんのテントの側を通り過ぎようとして‥‥何か魔が差したのか、ライドウさんに相談してみようとしたんだったか、とにかく中に入ってしまった。それがいけなかった。
無防備に寝てるライドウさんを見たら、熱い身体を抑えきれなくなっていた。
触れたくなって、触れられたくなって。
自分は男の方が好きなのかも知れないとうすうす気付いては、誤魔化したり考えるのを放棄したりしていたけど。
それならそれで仕方ねえと。ゲイ人口は5%前後と聞く。5%と言うと少なく感じるが20人に1人いると思えば全然おかしいことじゃねえ気がする。
まあ‥‥同性同士ってのはいいんだ。問題は年齢差‥‥いや、俺の考えはどうでもいいわけだろ、この際。どんな問題あったって俺は既にライドウさんに惹かれてる。
薬切れたら冷めるんじゃなかったのか。というか‥‥そもそも薬のせいだなんて思ってなかった。
俺がライドウさんにどうしようもなく惹かれてる理由は、ライドウさんの触り方が凄く優しかったから。
大事なものに触れるみたいに‥‥途中からはキスも、唇だけじゃなくあちこちにしてくれたし。あんな風に突然、夜這いってことになるのか、とにかくほとんど性欲に身を任せて行為を強いた俺に、ライドウさんは最後まで優しかった。そして優しいのは触り方だけじゃなくて。
あの後俺は意識を失ってしまったけど、朝にはっきりと取り戻すまでの間、何度か目を覚ました‥‥気がした。
もしかしたら夢だったのかも、夢であってほしいと思うような‥‥でも、起きたとき身体に不快感が残っていなかったし、着ている服も違っていたことから考えて、ライドウさんが俺の身体の隅々まで拭いて綺麗にしてくれて、服も替えてくれたのは間違っていないらしかった。
服を脱がされたのとひんやりしたタオルの感覚だけは頭に残ってる。‥‥足持ち上げられたり、凄い恥ずかしい体勢にされてたのは‥‥夢じゃねえのか‥‥。
再びどうしようもない羞恥にまみれた俺は、頭を抱えて溜息をついた。喉が痛い。
枕元にペットボトルの水が置いてあるのに気付いて、少し迷いつつも手にとってキャップを開けた。一口、ごく、と飲み込む。
昨夜はここには水なんてなかったはず。俺に置いてってくれたのか‥‥いや、違うかも。たまたまかも。これ以上俺の中のライドウさんをかっこいい人にするのはやめよう、本当に戻れなくなる。
昨夜はここには水なんてなかったはず。俺に置いてってくれたのか‥‥いや、違うかも。たまたまかも。これ以上俺の中のライドウさんをかっこいい人にするのはやめよう、本当に戻れなくなる。
とにかくライドウさんを探して謝っておかなければ。そのうち帰ってくるだろうけど、暢気に寝て待っているわけにもいかねえし。じっとしてられねえ。
もそもそと立ち上がると、ズボンの裾がだいぶ余ってることに気付く。上着も当然でかい。あ、パンツ履いてねえ。こんな格好で外うろうろして、万が一ゲンマさんにでも会ったらコトだ。すぐ見つかればいいんだが‥‥。
そう思いながらテントを出ると、本当にすぐそこにライドウさんがいた。
み、見つかるの早すぎる。もっとこう、心の準備的なアレは‥‥などと考えて何も言えなくなってる俺に、ライドウさんはまだ時間あるからもう少し寝てろみたいなことを言ってテントの中へ戻るよう促した。
まともに顔を合わせられねえ‥‥あんなことあった後なんだから当然だ。仕方ねえ。でも何か言わなきゃ、謝らなくては。上手く声が出ない。もっと水飲んでおけば良かった。
ライドウさんは解毒剤だと言って錠剤をひとつくれた。受け取る手が震える。ちょうど良いので少し多めの水で飲んだ。それでもまだ喉がひりひりと痛む。
さらにライドウさんは俺の荷物を持ってきてくれていた。昨夜着てた服はどこ行ったんだろう、とふと思ったけど、そろそろ顔が熱いのが治まってきたので、やっと俺は口をひらくことができた。
‥‥声が掠れてる。ぼそぼそとしか謝罪の言葉が出なくて、俺はまたうつむいた。
ライドウさんがどんな表情してるのかはわからない。何せ直視できない。でも、声はいつも通りで落ちついていたし優しかった。気にするな、早く忘れろのようなことを言ってライドウさんは立ち上がり、俺に飴をひとつ渡して出ていってしまった。
もっと言うべきことがあったのに。言わなきゃならなかったのに、俺は。
手の中の飴を見ると、かわいらしいプリントのされたのど飴だった。のど飴‥‥やっぱり、俺は喉痛めるくらい声出してたのか‥‥同時にまた昨夜のことをありありと思い出してしまって、涙目になりながらも着替え始めることにした。
着替えて飴をなめながら少しだけうとうとした。
起床時間の10分前にライドウさんが戻ってきて、俺はやっぱり目を合わせられなかった。
「お前の服、まだ乾いてないけど」
とライドウさんは丁寧に畳まれた俺の服をビニールに入れて渡してくれた。
「‥‥洗ってくれたんすか」
「ちゃんとじゃないぞ、洗剤使ってないし」
ありがとうゴザイマス、とぎこちなく頭を下げる。まだ声が上手く出せない。ライドウさんは、おう、と言っただけだった。
「あの‥‥借りた服、洗濯して返しますから」
「ん、ああ、別にそのままでいいけど」
「や、直接着ちゃったし」
俺はうつむいたままで答えた。
「そんな気にしなくていいぞ。アオバなんか‥‥まあいいか」
アオバさんが何なのか‥‥ちょっと興味があるけどまあいいや。
俺は借りた服を出来るだけ皺にならないように荷物に入れた。
「‥‥ライドウさん」
「ん」
「‥‥え、と、」
言わなきゃならねえことがあるはずなのに。
「気にするな。あと、忘れろ。お前は今はそれだけ頑張ればいいから」
つい、と軽く頭を撫でられて、何も言えなくなってしまった。
子どもをあやすような仕種と優しい笑顔。
何も言わないでくれと釘を刺された気がした。
俺のこの気持ちは言葉にしてはいけないものだと。
薬が切れた今言えば信じてもらえるって。
信じてもらった後どうなるかなんてわかんねえけど。
とにかく伝えなきゃその後もねえんだから。
まずは伝えたかった。今、俺がどう思ってるか。
でも。
熱に浮かされた状態と今とは全く精神状態が違うってことが俺にはよくわかってなくて。
あのとき言えた言葉が、今も使えると思ってた。
使わせてもらえると思ってた。
たった一言、たった二文字を口にするのが難しいなんて。おかしな話だ。
家に帰って、借りた服を洗濯しながら、これを返しに行く日に俺は何を言うんだろうと考えていた。
近いうちにもう1度、確実に会う機会を、口実を与えてくれたライドウさんは何を考えているんだろう。
(終?)
続きは妄想してくれても‥‥。
ほんとは続き含めてもう少し長く書くつもりだったんですが。
読みたい方はわっふるわっふr(ry
イワライの方が見たいという人もいたら。え、いないんですか?
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