NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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聞いた俺はまず驚いて、それから喜んで、それから頭を抱え込んだので、教えてくれた同僚は俺のことを七変化と呼んだ。うるせえ。
よりによってシカマルだけが中忍に昇格するなんて。
こんな早くに。
‥‥でも、まあ、約束したもんな。うん、仕方ないよな。男の約束は死んでも守れってガイ先生もおっしゃってた。仕方ない。何だか顔がにやけるけど、俺は約束しちゃったから付き合うんであって。べ、別に喜んでなんか。
試験官を務めた不知火特別上忍が、シカマルの戦いの一部始終を聞かせてくれた。
そうか‥‥シカマルにはそんな才があったんだな。
アカデミー時代の方が長く一緒にいたのに、今になってこんなに色々知るなんて。何だか悔しい。
アカデミー時代の方が長く一緒にいたのに、今になってこんなに色々知るなんて。何だか悔しい。
シカマルがあのベストを着たところを一刻も早く見たいと思ったけど、中忍になりたての時期の忙しさは知っているから、俺はシカマルのところへは行かずにいた。そのうち会えるだろうと楽観的に考えていた。昇格祝いは何がいいだろうなあ、とか。
まだまだ任務の依頼は多かった。早く教職に戻りたいと願いながらBランクの任務をこなしていた。
ああ、そのうちシカマルと一緒の任務とかできるのかもしれないな。シカマルの頭脳は小隊長向きだと聞いたから、シカマルの命令で俺が動くとか?それはそれで面白そうだ。
なんて俺が思ってるとき、サスケが里を抜けたという報せが入ってきた。
サスケ‥‥そう言えば最近姿を見ていなかった。最後に会ったのは‥‥3代目の葬儀だっただろうか。あのときはそんなにおかしなところはなかったのに。ナルトと良きライバル関係になって、お互い切磋琢磨してるのだとばかり‥‥俺ってほんと。元担任っていったって、全然生徒のことわかってねえんだよなあ‥‥。
サスケのことは俺に結構なダメージを与えた。
ある日急に独りになってしまった、その絶望感は俺がわかってあげられたんじゃないのか、って。けっこう落ち込んだ。
ある日急に独りになってしまった、その絶望感は俺がわかってあげられたんじゃないのか、って。けっこう落ち込んだ。
そしてサスケ奪還の任務をシカマルとナルトたちが引き受けたと聞いて、俺は更に心配になった。
中忍としての最初の任務がそれ、連れて行けるのはアカデミーを卒業して間もない下忍ばかり。
無茶だ、と思った。それでも他に余裕のある上忍中忍はいない。
俺は自分でも任務に就きながら、ひたすらあいつらが無事で帰ってきますようにとだけ祈っていた。
Bランクの、少し厄介な任務を終わらせてやっと里に帰ってくると、シカマルの小隊が戻ってきてると同僚が教えてくれた。
チョウジとネジは命を取り留めた。ナルトは入院している。それだけ聞いて、俺は病院へ走った。
病室のナルトは意外と元気そうにしていた。サスケは行ってしまった‥‥けど、きっとナルトが連れて帰ってきてくれるだろう。うん、信じている。俺が心配するようなことじゃないんだ。
ナルトはこれから修業の旅に出ると言った。伝説の3忍のひとり、自来也様に稽古をつけてもらうとか。
なんだ、寂しくなるなあ、と思ったら少し泣きそうになった。
でもナルトはもう額当てを欲しがってた小さな子どもじゃない。俺は笑顔で送り出さなきゃ。
退院したらラーメンおごってやる、って約束して病院を出た。
出てすぐのところに、シカマルがいた。
「シカマル‥‥久しぶり」
シカマルはちょこっと頭を下げて
「ナルトの見舞いすか」
と目を合わせずに言った。あれ、何かちょっとよそよそしい?
もしかしてもう俺のこと好きじゃなくなったのかなあ、と不安になった。
会わないうちにお互いごたごたしてたもんな。俺のことなんか忘れたかったのかも知れない。こんなとこで会って、「しまった」なんて思ってる?
「あー‥‥シカマル、中忍昇格おめでとう」
俺は鼻の傷を掻きながら、精一杯平静を装って言った。
シカマルが俺のことを好きじゃなくなったんなら、それはむしろ喜ぶべきことなんじゃないか。俺みたいな年上を好きだなんて、やっぱり気の迷いってやつだったんだ。普通に同年代の女の子を好きになった方がいいに決まってる。
「イルカ先生、聞いてねえのかと思ってた」
並んで歩きながら、シカマルがぼそっと言った。
「何を?」
「俺が中忍になったって‥‥だって何も言ってこねえから」
俺も言いに行かなかったけど、とつけ加えて、唇を尖らせる。
あ、会いに行った方が良かったのか‥‥ん?会いに来て欲しかったのか?あれ?まだ俺のこと好き?どっちなんだ。
シカマルはやっと俺の目をまっすぐ見ると、
「俺、中忍になりました」
と言った。俺は
「ああ。おめでとう」
と笑顔で返した。
‥‥ん。ん?
「それだけ‥‥すか」
不満そうな顔をされた。
これは‥‥期待されてるのか?もー、はっきり言ってもらわないと、俺は鈍感だからわかんないんだぞ。
「シカマル、まだ俺のこと好きなのか?」
俺が直球で勝負すると、シカマルは顔を赤くして視線を泳がせた。
ああ、ちょっと見ないうちに大人っぽくなった気がしてたけど、そういう表情は前と全く変わらない。かわいいなあ。
何だかこのところの殺伐とした気分が晴れていく。
「俺は‥‥アカデミーんときからずっと‥‥だから、そんな短期間で気持ちがころころ変わったりしねえ」
そう言ってシカマルはぷいと顔を背けた。でも耳はこっちに見えてるから。耳真っ赤だから。
ふ、と笑みがもれそうになるのを堪えて、俺はシカマルの頭をぽんぽん叩いた。
「よし、中忍昇格祝いにキスしてやる」
「え」
道ばただけど暗くて人影もないし、かまわないだろう。
足を止めて、シカマルと向かい合った。シカマルはちょっとうつむき気味で、顔はやっぱり赤かった。
おでことほっぺたどっちがいいかなあ、と俺はちょっと迷ったけど、せっかくひっつめた髪型してるんだからおでこにしようと決めた。
おでことほっぺたどっちがいいかなあ、と俺はちょっと迷ったけど、せっかくひっつめた髪型してるんだからおでこにしようと決めた。
シカマルの肩に手を軽く置いて、おでこにちゅ、と口づけた。
あ、身長差がちょうどよくてしやすい。
でも、あれ‥‥シカマル、嬉しくなさそう。え、俺のキスってそんな下手だったか?もっとシカマルみたいに吸い付いた方がいいのか?
俺はおろおろと戸惑った。そんな俺を見て、シカマルは溜息をついた。
‥‥呆れた、って顔してる。えええ。俺のキスってそんな駄目だったのか。だからすぐ振られるのか!何か凄くショックだ!
シカマルは何か言いかけてはやめ、それを3回くらい繰り返して、でもしびれを切らしてようやく
‥‥呆れた、って顔してる。えええ。俺のキスってそんな駄目だったのか。だからすぐ振られるのか!何か凄くショックだ!
シカマルは何か言いかけてはやめ、それを3回くらい繰り返して、でもしびれを切らしてようやく
「キスって普通、ここにするもんなんですけど」
と自分の唇を指さした。
ああ、そうか。何だ。口にして欲しかったのか。何その仕種、かわいいなあ。シカマルはかわいいなあ。知ってたけど。
俺はにやけるのを抑えられないで、笑った顔のままシカマルの唇にキスをした。
ちょっと身をかがめる必要があった。身長差と、シカマルがうつむき気味だったから。任務明けの俺には少しつらい体勢だ。だから無意識のうちに、シカマルのほっぺたに手をやって上を向かせていた。
ん、とシカマルが声をもらしたので、俺は唇を離し‥‥離そうとした。でもシカマルが俺の首に手を回してしがみついたのでかなわなかった。
シカマルってば積極的。ちゅうちゅう吸ってくるし。俺の方が戸惑ってしまう。もしかして初めてじゃねえのかなあ‥‥とちょっと思った。
でもこっそり目開けてみたら、シカマルは必死で、夢中になって俺の唇に吸い付いていた。
‥‥ほんっと、かわいいなあ。
俺は衝動に身を任せてシカマルの柔らかくてあたたかい身体を抱きしめて、きちんとしたキスをしてやった。ぺろ、と控えめに唇を舐めたら、びくんとシカマルの身体が震えたので、舌はまだやめておいた方が良さそうだなと思った。
俺は衝動に身を任せてシカマルの柔らかくてあたたかい身体を抱きしめて、きちんとしたキスをしてやった。ぺろ、と控えめに唇を舐めたら、びくんとシカマルの身体が震えたので、舌はまだやめておいた方が良さそうだなと思った。
やっと唇が自由になると、シカマルは顔を伏せて俺の胸に額をすり寄せた。
ああ、これからはシカマルにぎゅってしてぎゅってしてちゅってできるんだなあ、と思うと。感動って言うか、何て言うか。気持ちがはしゃいでしまう。
まだまだ里は大変な時期なのに、俺って奴は。
でも今この瞬間くらい、そんな気持ちになってもいいだろう。
なにしろこんなの久しぶりだ。
この体温をずっと感じていたいと思う。
なにしろこんなの久しぶりだ。
この体温をずっと感じていたいと思う。
「い、イルカ先生」
「ん?」
耳に軽くキスしながら、背中を撫でさすっていたら、シカマルが俺の肩を押して身体を離した。
俺が少し不安を顔に出すと、シカマルは後ろを軽く振り返って
「人の気配がする‥‥」
と言った。
ああ、本当だ。誰か来る。
別に見られてもいいんだけどなあ、気にしないのになあ、と思った。でもやっぱりまずいのだろうか。年齢差とか、年齢差とか。性別とか?俺は気にしないのになあ。あれ?前は気にしてたっけ。ううん‥‥大した問題じゃないよな?だってシカマルはこんなにかわいいんだぞ。愛しく思わない方が無理だろう。
俺は名残惜しかったけどシカマルの身体から離れて、でも代わりに手をつないだ。
「帰るか。送ってく」
握られた手を見て、シカマルは何か言いたそうにしながらも黙って歩き始めた。
ときどき人の気配が消えたのを狙って、シカマルの腕を引き寄せてキスをした。
3回目くらいまでは大人しくしていたシカマルも、それ以降は手で口を遮って
「外ではもうしねえの!」
と怒った。
「だってシカマルがかわいいから」
そう言うと、ますます怒った。かわいいってのは別に女子どもに対してだけ使われる言葉じゃないんだけどな。まあ、シカマルの年ではまだわからないんだろう。
「いいだろ、俺はかわいいの好きだぞ」
好き、と聞いてシカマルは素直に黙った。その隙にもう1度キスしようとすると、シカマルが自分からちゅっとしてきた。不意打ちだ。俺、不意打ちは弱いんだぞ。ずるいなあ。
悔しいから、手を離して肩を抱き寄せてやった。
そしたらシカマルは俺の腰に抱きついてきた。何だ、かわいいなちくしょう。
と、そうやってじゃれつきながらシカマルの家の前まで歩いてたら、シカクさんに見られてた。気付かなかった。さすが上忍。いや、特に気配を消してたわけじゃないんだけど。
でもキスしてるとこは多分見られてなかったはずなので、おめーら仲いいなあ、ぐらいで済んだ。
シカマルはかなり動揺して、もう外ではしねえ、と怒った。
わかったわかった、と俺は頷いたけど、もちろんわかってなどいない。
わかったわかった、と俺は頷いたけど、もちろんわかってなどいない。
年齢差とか性別とか、そんなのどうでもいいって思えるってことはさ。
それはほんとの愛ってやつなんじゃないかな、とか。
都合良すぎるだろうか?
(了)
もう少しエピソードが思いついてるので、微妙に続きを書くかもしれないです。
こんなラブ度の高いの初めてだ。このふたりでしか出来ない。
かわいいものが大好きなイルカさん。かわいいって何回言った?
裏タイトル:奈良上忍は見た
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