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忍びなのに綺麗な手、というのは、巷では一種のステータスになっている。
男らしくごつごつしてて、傷痕もあるんだけど、爪はきっちり切ってあって、逆剥けとか手荒れは無し、触り心地すべすべ。そういうのがいいんだとか。
最近忍びの間で手甲が大流行しているのもどうやらこのことが関係しているらしい。
で、さり気なく手の話題を出して聞いてみたところ、1番人気のある手はイルカさんのだった。
普段は受付業務やアカデミーの教職についているイルカさんも、ときどきは任務に出ることがある。それでいて綺麗な手ナンバーワンの称号を受けるとは、何か秘密があるに違いない。
俺は早速本人に聞いてみることにした。
「イルカさん!」
「お、イワシじゃないか。久しぶりだなあ」
イルカさんはいつものように人懐っこい笑顔で迎えてくれた。ちょうど受付の仕事が休憩に入ったところらしい。いいときに来た。
他愛ない世間話の後、本題を切り出す。
「あの、イルカさんの手が綺麗だってよく聞くんですけど」
「へ?俺の手?」
「はい。周りのくのいち大絶賛でした。何か手入れしてるんですか?」
イルカさんは小首を傾げ、
「んー‥‥そうだなあ、強いて言うなら、」
と話し始めた。俺はわくわくしながら聞いたのだが‥‥。
その手入れの種類、方法といったら、美容に気を遣っている女性も真っ青というものだ。イルカさんはもしかして手のモデルか何かやっているんだろうか?
爪をこまめに切る、くらいは俺でもできる。やすりかけるのもいい。ハンドクリームも大丈夫。
保湿液、パック、マッサージ‥‥その辺からはもうわからない。
何が「強いて言うなら」だ!完全に完璧に仕上げてるじゃないか!
「な、何でそんなに‥‥?」
ひとしきりイルカさんの手の話を聞いた後、俺は素朴な疑問を打ち明けた。
手フェチ?綺麗な手ナンバーワンは狙ってたのか?もてたいの?そこまでしなきゃならないほどもてないわけじゃないだろ?
「そうだなあ、そう言えば最近になってからだな、手に気遣うようになったの」
「何かあったんですか」
「うん‥‥」
イルカさんはそこで一旦口を閉ざしたかと思えば、少し頬を染め、照れ笑いを浮かべながら言った。
「やっと好きな人の身体に触れるようになってなあ。傷つけたくないし、触られて気持ちいい方がいいだろうなと思って」
のろけてごめん、と鼻の頭の傷を掻く。
なるほど‥‥!!その手に対する情熱は、恋人への愛から来ていたのか!
なんてかっこいいんだ。羨ましい。俺も見習おう!まあ、俺には触る相手なんていないけど!いないけど見つけるまでには最高の手の持ち主になってみせるぞ!
綺麗な手を持つための秘訣をマスターした俺は、イルカさんに礼を言ってその場を後にした。
うきうきしながらテラスに行くと、ゲンマさんとシカマルがいたので、声高らかに話しかけた。
「何だイワシ、随分機嫌がいいな」
「はい!さっきそこで、イルカさんにいいこと聞いちゃって」
「‥‥イルカ先生に?」
そういやイルカさんはシカマルの元担任だったっけ。ゲンマさんもイルカさんと仲いいし。これはこの話をしておいてやるべきだろう!
「イルカさんの手が綺麗ってよく聞くから、その理由を聞きに行ったんですよ。そしたら」
俺が先ほどのイルカさんの話を復唱すると、何故かシカマルはみるみる顔を赤く染めた。
‥‥ん、何かまずかったか?あっ、シカマルってまだ13歳だった。ちょっと刺激が強すぎたかな。
一方ゲンマさんはニヤニヤしながら
「なるほどねえー。よかったなあ、シカマル」
などと言ってシカマルの方を見ている。
「でしょう?いい話でしょ!かっこいいよなあ。イルカさんに愛されてる人は幸せだろうなあ」
俺は得意になったが、シカマルは赤い顔のままそっぽを向いてしまった。
木の葉の里では今も綺麗な手ブームがおさまらない。
他方で、忍び装束の下は完璧なもち肌、というのがいいと主張する人達も現れ始めた。
まだ数は少ないが、そう提唱するひとり、イルカさんに再び話を聞いてみると、どうもシカマルの肌が凄くイイらしい。
「じゃあイルカさんの手でシカマルの肌を触ったら凄いことになりますね!」
俺がそう言うとイルカさんは照れたように、うん、と頷いた。隣にいたゲンマさんは何故か大爆笑していた。
これからシカマルにその肌の秘訣を聞きに行こうと思う。
また大変な手入れの仕方してんのかなあ。
めんどくさがりのシカマルがそこまでする理由って、一体何なんだろう?
めんどくさがりのシカマルがそこまでする理由って、一体何なんだろう?
(終)
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