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NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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ライ←イワ→イビ←イワ。読まなくても次つながると思います。

何となく身体が熱いなあとは夕方から気付いていたけど、どうせ大したこと無いと思い込んでいた。
それより早く任務終わらせて里に帰りたいなあ、と。
不謹慎だけど。
だって俺まだ23歳だし、人に言わせれば見た目も精神的にも思春期で通用する歳、らしい‥‥そこまで低いなんて認めないけど!
とにかく、俺だって若いんだから、1週間以上も好きな人の側を離れるのはつらいんだ。
‥‥取り立てて何を話すでもなく、挨拶する程度で終わる仲だけど。
それでもいいんだ俺は。十分幸せなんだ。うん、凄く幸せなんだ俺。
そんなことを思いながらテントの中で眠りについたのだが、途中で目が覚めてしまった。
眠りは浅い方じゃないはずなのに‥‥気付いたら身体が汗ばんで、凄く熱かった。
何だろう‥‥こんな、イビキさんの夢を見た朝みたいな‥‥。
どうも夕方からおかしい気がする。早めに診てもらった方が良さそうだ。
幸いここにはシズネさんが来ている。あの人のところなら今の時間に行っても許されるだろう。何故なら俺がイビキさん命と知っているから‥‥そうでない女性のところに、うら若き男性である俺がこんな時間に訪問するのはさすがに気が引ける。
隣のシカマルを起こさないよう、そっとテントを抜け出した。冷たい風が肌に心地よい。
シズネさんのテントまで歩いて10分くらい、その間ずっとイビキさんのことが頭から離れなかった。
何でだろ。いや普段から俺はイビキさんのことで頭いっぱいだよ。だけど、そこまで常に考えてるわけじゃない。ほ、ほんとだ。
「シズネさん、」
テントの中の灯りがついてるのに安堵して、俺は中の人影に声を掛けた。
「イワシか。入っていいよ」
「失礼します」
中に入ろうとした俺は、入り口から数メートル離れた木のところにアオバさんが吊されてるのに気付いた。といっても首を吊ってるわけじゃなく、ロープで体中ぐるぐる縛られている。何だろう、あの見せ物は。
「どうした」
「あの‥‥あの、アオバさんは何ですか」
まずそっちが気になってしまい、俺は訊ねた。
「ああ。変な薬をかがされたらしくて。いきなりテントに入ってきたからとりあえず気絶させて解毒剤打っといた」
なるほど、俺の班とアオバさんの班は今回の任務で敵対する部隊が一緒だった。俺達が昼間かがされたのと同じような薬を使われたって事か。
「俺も多分、そういう‥‥変な薬が作用してるみたいなんですけど」
「お前もか‥‥ゲンマの班だっけ。心配だな」
シズネさんは溜息をつきながら解毒剤を調合してくれた。
「なるべくたくさんの水で飲んで。安静にしてること」
「わかりました。ありがとうございます」
俺は丁寧に頭を下げてシズネさんのテントを出た。吊されてるアオバさんは意識がないだろうことはわかってたが、それでも一応会釈してから自分のテントへ向かった。
 
また10分間イビキさんのことをつらつら想いながら歩いていたわけだけど、途中のテントから聞こえてきた声に俺は固まってしまった。
‥‥このテントは、ライドウさんのはず‥‥ゲンマさんじゃない。ゲンマさんはあっちだ。確か。え、俺の記憶違いか?ゲンマさんのテントから聞こえるのならわかるんだけど‥‥いや、俺達のテントから1番近いのはライドウさん、間違いない。
ってことは、ってことは!!
うわあああ、と叫び出したくなりながらも、何とかこらえて自分のテントへ走った。
気配は消して、物音立てず。こんな状況でも忍びの基本を忘れない俺エライ‥‥誉めてイビキさん。
何とかテントの中に戻り、乱れる息を整えた。
テントの中で寝てるはずのシカマルの姿はなく、俺はその場に倒れ込んだ。
‥‥やっぱり、あのあえぎ声はシカマルのものだったんだ。
ら、ライドウさんが。シカマルと。シカマルとあんなこと。
男にはなびかない人だと思ってたのに!少年は可ってことですか。えええ。嘘だ、お、俺は信じないぞ!
きっと自制できなかったシカマルが、ライドウさんのとこに押しかけて色仕掛けとかエロ仕掛けとか使ったに違いない。くそ。シカマルのバカ!エロ!エロバンビ!
ライドウさんは年下には基本的に優しいからなあ‥‥セクハラにはセクハラで対抗するけど‥‥え、じゃあシカマルからのエロ攻撃にもエロ攻撃で対抗しちゃったのか。な、何てことだ!
いや俺別にライドウさんのことが好きとかじゃないけど。けど!ライドウさんは俺のお兄さん的存在だぞ。シカマルに渡してなるものか!
ああ、でも現にあんなことしちゃってるんだもんなあ‥‥うわ、うわ。
ライドウさんって淡泊そうに見えるけどどんなことすんだろ‥‥ええ‥‥想像ができない。32歳ってどんななんだろ。やっぱり若い人より長持ち‥‥な、何を考えてるんだ俺は。
やっと俺は我に返り、そうだ、解毒剤だ、と水を探した。
500mlの水全部と共に飲み込んで、もぞもぞと自分の寝袋に入った。
遠くでちらちら聞こえる声って‥‥やっぱりシカマルのか。何だこの拷問。普段イビキさんのことばっか考えるからバチが当たったのか。うう‥‥助けてイビキさん。イビキさんに拷問されるなら俺本望なんですけど。んとうを取ったらホモなんですけど。
しかし‥‥シカマルはまだ13歳‥‥だよなあ。俺より10も下なのに、俺より10近く上のライドウさんを射止めるってどういうことだ。恐ろしい子。ど、どんだけエロいんだよ。いかがわしい!
ライドウさんは子どもに弱いのかなあ、ちっちゃい子からの頼まれごととか断りにくいって話してたっけ。俺は‥‥ちっちゃい子にはカウントされんのかなあ‥‥。
もし、だよ。
もしも、ライドウさんのとこに行ったのが俺だったら。
俺がシズネさんのとこに行かず、ライドウさんを頼ってたら。
シカマルより先にライドウさんのとこに行ってたら。
ライドウさんは、俺のことを‥‥‥‥。
‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
な、なんてな!
俺のバカ!何考えてるんだ!お、俺にはイビキさんがいるのに!いるっていうか心の中に常にいるっていうか‥‥なのに、よりによってお兄さんなライドウさんとそんな、そんな、いやらしいことを考えるなんて!破廉恥極まりない!!
うう。変な薬のせいだと思いたい。
きっとそうだ。俺はゲンマさんみたいな節操無しじゃないんだからね!
早く会いたいイビキさん。
あ、でも今この瞬間はトンボさんに会いたい。あの人相手には勃たないもん俺。急速に萎える。
なるほど‥‥ライドウさんが前に言ってた「俺もときどきはゲンマのこと考えてるぞ、性欲に対して自制心が必要なときとか」って話はこういうことなのか。
俺はトンボさんの存在に感謝しながらも、やはりそれだけでは抑えきれず、気付いたら涙で目の周りを濡らしながら日の出を迎えていた。
 
 
シカマルは結局俺が眠るまでには戻ってこなくて、目を覚ましたときにも隣にいなくて。
眠い目をこすりながらテントを出ると、少し遠くにライドウさんが立っているのが見えた。
俺は挨拶をしたかったのだけどもどうにもその勇気が出ず、いそいそとテントに戻ってきてしまった。
まともに顔を合わせられない‥‥シカマルはまだライドウさんのテントの中にいるんだろうか。
ライドウさんの腕に抱かれて眠ったのか‥‥う、うわあああ。
べ、別に俺、ライドウさんのこと好きじゃないけど!
けど、けどほんの少しだけ、羨ましい‥‥。
もう薬は抜けてるはずなのにそんなことを思ってしまった自分が許せなくて、俺は必死にトンボさんの素顔について考えることに集中しようとした。
 
 
 
 
 
(続)
 
これ番外で書けば良かった。後回しにすれば良かった。まあいい。
予定では次、シカマル視点で終わる‥‥はず。
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