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ふい、と目を逸らす。
まただ。
俺はそっと溜息をついた。
あいつは俺と目が合うと、決まって気まずそうに目を逸らす。
何だ。俺が何かしたか?
最初は誰にでもそうなのだと思っていた。
だからチョウジの目をじっと見て話すあいつには驚いたものだ。
あいつの方から俺の目を見たことは、ただの一度もない。
「俺って嫌われてんのかなあ」
一向に酔えない酒をちびちびと飲みながらアスマは言った。
「何よ、アンタらしくない」
紅がバシッとアスマの背中を叩いて気合いを入れる。
大げさに痛がるアスマにガイが笑い
「いつまで経っても青春とはいいものだな!」
そんなことを言う。
「だってよ、実際にやられてみろ、結構傷つくぜ」
「うーん、目逸らされるのは確かにねえ。面と向かって文句言われる方がマシかな」
アスマの落ち込みようをさすがに気の毒に思ったのか、珍しくカカシが同調した。
「どう見ても俺に対してだけなんだよなあ‥‥他の奴には下忍も上忍も関係なく、目ぇ合わせてんのに」
はあ、と溜息をつく。
「心当たりないわけ?嫌われるようなことしたとか」と、紅。
「ねえ、と言いたいが。近頃の若いもんが何考えてんのかなんて俺にはわかんねえよ」
「出た、オヤジ発言」
カカシはヤダーと顔を背けた。アスマは煙草の煙を吹きかけてやった。
「煙草が嫌いとかじゃないの?禁煙したら?」
「そんなもん俺に限ったことじゃねえだろ」
「四六時中一緒にいるのはアンタじゃない」
紅はそう言って自分の酒をぐいっとあおった。
「でも焼き肉屋ではいっつも俺の隣に来るんだよ。嫌ってんならわざわざ俺の隣に座らねえよな?この間だって足怪我したあいつを運んだのは俺だぞ。任務中にも危ないとこ何回か助けてやったことあるし‥‥。あー、やっぱ何考えてんのかさっぱりわかんねえ」
アスマは頭を抱えた。
「はっはっは、俺には大体わかるぞ!青春だなアスマ!」
ガイは完全に出来上がって上機嫌だ。とりあえず無視しておく。
「わかんないならうじうじ考えててもどうしようもないんじゃなーいの。本人に直接聞いてみなよ」
空になったグラスをもてあそびながらカカシが言った。
「うー‥‥それしかねえのか‥‥」
「そうね、それが1番手っ取り早いし確実よね」
紅も頷く。
「仕方ねえ‥‥折見てハナシすっか」
もう一度溜息をついて、アスマは顔を上げた。
居酒屋を出てそれぞれ家に向かう。
アスマは途中までガイと並んで道を歩いた。
「アスマ、さっきの話だがな」
「何だ」
煙草を吸いながらぼんやりと足を進めるアスマに、ガイは楽しそうに言った。
「こんな言葉をお前に捧げよう。
『いつもひとりだけを見つめる者と、いつもひとりだけから目を逸らす者は、結局似たような人間である』」
『いつもひとりだけを見つめる者と、いつもひとりだけから目を逸らす者は、結局似たような人間である』」
「あ?」
「はは、まったく、青春してるな!では、俺はこれで」
ガイはばっちりとウインクをして見せ、分かれ道をさっさと歩いていった。
「なんだあ‥‥どういう意味だ、それは」
ガイの台詞を思い出し、その意味を理解して、アスマが赤くなったり青くなったりするのは
それから5分後、自宅のドアをくぐったときだった。
それから5分後、自宅のドアをくぐったときだった。
ガイの台詞の元ネタは「1人の男だけ見つめている女と、1人の男からいつも目をそらす女は、
結局似たようなものである。」というラ・ブリュイエールのお言葉です。
ひとりだけ勘付いてるガイ。
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