NARUTOのイルカシカマルイワシライドウあたりメインのブログサイト。
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放課後のアカデミー空き教室で俺は昼寝をしていた。
アカデミー時代に散々居眠りに使った机。すっかり寝慣れてしまっていた。
ふと目を覚まし、ああ、そろそろ帰るか、と思った時だ。
話し声が聞こえる――この教室に向かっているようだ。
別にやましいことはないけど、既に卒業した俺がこんなとこにいたらちょっと怪しい。
めんどくせーことになるより姿を隠してやり過ごす方がいいかも。
そう思って隠れ蓑の術をおこない、気配を絶った。
がらり、と教室のドアがひらき、入ってきたのは
「こんなところまで連れてきて何の用ですか、カカシさん」
イルカ先生と‥‥はたけカカシ?
意外な組み合わせだ。そんな仲良かったのか。
カカシセンセイ(俺に対しては先生らしいとこ見せた試しがないので素直に先生と呼びづらい)は、もじもじしてなかなか口をひらかない。
「俺まだ仕事が残ってるんですが‥‥」
「い、イルカ先生!」
「わあ」
かろうじてふたりの姿を視界に入れると、カカシセンセイはイルカ先生の手を握り、迫っていた。
――げえ。
俺は息を呑んだ。
「な、何ですか」
「あの、俺、イルカ先生の、が、見たいんです!!」
「は‥‥!?俺の何を‥‥」
そりゃあナニをだろう!逃げろイルカ先生!
いざとなったら飛び出してイルカ先生に加勢する覚悟を決めた俺だが、まだ隠れ身の術を解かずにいた。上忍に勝てる自信はないけど派手な術を使えば人が集まるはず。助かる可能性は十分にある。でも、イルカ先生がどう反応するのかちょっと見てみたい気もしたのだ。
「み、見せて下さい‥‥!」
「だから、何をですか!」
ここからでもカカシセンセイの鼻息が荒いのがわかる。
「イルカ先生の‥‥陰毛を‥‥」
俺は倒れ込みそうになるのを、懸命に堪えた。きっとイルカ先生も同じだっただろう。
「アンタは‥‥神聖なアカデミーで何を言い出すんだあーーっ!!」
イルカ先生がカカシセンセイを突き飛ばし、あろうことか仰向けに倒れたカカシセンセイの股間を踏みつけた。
「いっ‥‥」
カカシセンセイはうめいたが、イルカ先生は俺が今まで聞いたこともない声と見たこともない表情で
「はあ?こんなのがイイなんてアンタはほんと変態ですね」
と言った。
えええ、イルカ先生!?
カカシセンセイは何故か息を荒げて抵抗しない。えええ。
「ほら、本当はこうして欲しかったんでしょう?」
「あ、うっ‥‥」
「どうですか、中忍如きに大事なものを足蹴にされる感想は‥‥」
と、止めに入るべきだろうか?
正直カカシセンセイにもイルカ先生にも勝てる気がしない。
むしろ今出ていったら確実に‥‥やられる‥‥!!(どんな意味でかは考えたくもない!)
「あ、イルカ先生、イルカ先生っ‥‥」
カカシセンセイが気持ち悪い声を上げた。
俺はもう限界だと思った。
そのとき、
「本気で感じてんじゃねえーー!!」
イルカ先生がぶち切れ、カカシセンセイのもちろん股間を、身体が浮くほどに蹴り上げた。
俺は再起不能になっただろうカカシセンセイを思って同情しかけたが、自業自得だと思い直した。
「全くアンタは‥‥!ほら、もう出てきていいぞ、シカマル」
急に名前を呼ばれ、俺は叫び出さんばかりに驚いた。
イルカ先生はひょいと俺を覆っていたものを取り去った。
笑顔でいつもの優しい表情だったが、俺の身体の震えは止まらなかった。
イルカ先生の背後に黒いものが見える。しかしそれが幻術とかの類じゃないと俺にはわかっていた。
「変なおじさんは退治したから、もう怖くないぞ」
いえ、怖いのはあなたです、イルカ先生。
とは言えず、俺は頷いた。
「気配の消し方が上手くなったなあシカマル。最初気づかなかったぞ。カカシ先生は気づいててあえて見せつけようとお思いになったようだが‥‥」
殺気を抑えて下さい、イルカ先生。もれてます。俺も何かもらしそうです。
「いい加減専門医に診せた方がいいな。前にも受付所でコトに及ぼうとして」
「う、受付で?」
「ああ。いきなり『アナタの聖水を浴びるほど飲みたい』って言われたから、お茶引っかけてやった」
「はあ」
お茶くらいで済んだのなら幸運だろう。
「ポットごとだったけどな」
‥‥うん。まだ幸運な方だろう。
アスマの殺気を1度体験したことがある。
あれを30分も浴びれば完全に生きる気力をなくしてしまうと思った。
しかしイルカ先生の殺気5分よりアスマの殺気1時間の方がまだマシだと考えを改めた。
どうしても耐え難い力を前にしたときはイルカ先生を思い出そう。
俺は恐怖に震えながらも、新たな強さを得たのだった。
(おまけ)
「もーイルカ先生ってば手加減を知らないんだから」
「おや、生きてたんですかカカシさん」
「あとちょっとガードが遅れてたら俺の息子は完全に再起不能になってましたよ」
「それは惜しいことをしました」
「ヒドイ‥‥」
「いいじゃないですか、不能になれば。子孫残せってうるさく言われることなく俺と一緒にいられるでしょ?」
「い、イルカ先生‥‥!」
「俺はかわいい嫁さんもらいますけどね」
「えええ」
(了)
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